興居(ごご)島からフェリーで運ばれ、高浜港に到着した投票箱=23日午前7時56分、松山市、大川洋輔撮影
台風21号の影響で、九州から東海地方の8県にある12市村が離島の投票箱を回収できなくなるなど、開票作業を投票翌日の23日に延期した。23日は朝から定期船で投票箱を運ぶ一方、この日も荒天で船便を断念し、自衛隊のヘリで回収した自治体もあった。
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総務省は「荒天で国政選挙の開票開始が翌日になるのは異例」としている。
愛媛1区全域と2区の一部の開票が延期となった松山市は23日、離島から投票箱が届き、午前9時半から開票が始まった。宮崎県延岡市は朝から投票箱の到着を待った。佐賀県唐津市(佐賀2区)も22日に開票できず、開票所となる体育館では警察官と市選挙管理委員会の職員が一晩、本土分の投票箱を見守った。
佐賀2区と同様、沖縄4区も当落判明が23日にずれ込んだ。上位2候補の得票率が接戦となったが、残る沖縄県南城市の開票が投票箱の回収の遅れで延期されたためだ。同市は離島から投票箱を運び、23日午後1時から開票作業を始めた。
比例復活に期待を寄せる候補はブロック全体の開票結果が確定するまで待たされた。社民前職の吉川元氏(51)=大分2区=は23日午後3時すぎ、九州ブロックで復活当選が決まった。事務所で開口一番、「ご心配をおかけしました」と支持者らに話しかけ、「ホッとした」と表情を緩めた。
「滑り込むようにして議席を預かれた。ありがたい」。希望元職の城井崇氏(44)=福岡10区=も比例復活を決め、北九州市の事務所で喜びを語った。
一方、23日も悪天候に悩まされたのが愛知県西尾市だ。前日に続き、高波などで佐久島の投票箱を船で運ぶことができず、市選管は夕方、陸上自衛隊のヘリコプターで空輸。午後6時15分、開票作業にこぎ着けた。全国約2千の開票所で最も遅いスタートとなり、23日深夜に作業を終了。衆院選の選挙区と比例区、最高裁裁判官国民審査の開票結果が確定した。