仏教系の苫小牧駒沢大(北海道苫小牧市)の経営が、儒教系の学校法人「京都育英館」(京都市)に譲渡される見通しとなった。文部科学省の大学設置・学校法人審議会が9日付で、学校法人駒沢大学(東京都)などからの申請を認める答申を林芳正文科相にした。林文科相は「答申を尊重する」としており、近く認可するとみられる。夏の甲子園で優勝経験がある駒大苫小牧高校は、駒沢大学が運営を続ける。
苫小牧駒沢大の経営譲渡をめぐっては、学生たちが「住職になるために仏教系大学に進んだのに、儒教系の学校法人に譲渡されたら資格が取れない」などと主張し、国が駒沢大学などの申請を認めないよう求める訴訟を東京地裁に起こしている。設置者変更は教育内容を変えないことが前提だが、不安を抱く学生がいることを受け、大学設置審は「教育課程、教育体制などを維持すること」という留意事項を付け、大学側に配慮を求めた。(増谷文生)