堺市堺区の無職渡辺彰宏さん(当時31)が8月、滋賀県近江八幡市の住宅などで知人の男女5人に監禁されて殺害された事件で、渡辺さんが少なくとも1年前から暴行を受けていたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。県警は暴行を受けた渡辺さんが監禁、殺害された経緯を調べている。
捜査関係者によると、渡辺さんは5年前に、堺市西区の坂本厚樹容疑者(39)=強要容疑で逮捕=が経営するムエタイジムに通うようになった。2年前にジムを通じて堺市堺区のアルバイト従業員井坪政容疑者(29)=監禁と殺人の疑いで逮捕=らと知り合ったという。
井坪容疑者らは少なくとも1年前から渡辺さんへ暴行をくわえるようになった。次第にエスカレートしていき、井坪容疑者らが乗る車の運転手をさせるほか、井坪容疑者を中心にエアガンで撃つ▽殴る、蹴る▽縄跳びでたたく▽木刀で殴る▽井坪容疑者らが吐き出したものを食べさせる――などの暴行を繰り返すようになったという。
さらに井坪容疑者は堺市堺区の無職萩原真一容疑者(39)、大阪市住之江区の無職亀井徳嗣容疑者(21)=同=とインターネットの動画投稿サイトを通じて知り合ったとみられるという。
堺市堺区の無職飯星飛香容疑者(29)=同=の自宅で監禁され、自力で歩けないほど衰弱した状態で先月16日に県警に救出された30代男性についても、井坪容疑者が動画投稿サイトを通じて知り合ったとされる。