中山間地の活性化に取り組む森山円香さん=徳島県神山町
希望はどこに 一般社団法人「神山つなぐ公社」ひとづくり担当・森山円香さん
ある日、国立大学の法学部に現役で進んだ森山円香さん(29)は離島でのインターン活動で気づきます。「社会は手作りなんだ」。シリーズ企画「希望はどこに」の第8回。いまは四国の中山間地で働く森山さんが、社会のメインコースとは別の道を歩む充実感、やりがいを語ります。
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徳島県神山町は、徳島市から車で1時間弱の中山間地で、人口5500人ほどです。全国に先駆けて光ファイバー網を整備し、IT企業が多く進出しました。移住者が増え、オランダから来た人もいます。東京との2拠点居住の人もいて、過疎地の活性化に注目が集まりました。
町が2015年12月、創生戦略として「まちを将来世代につなぐプロジェクト」を策定しました。実現のため官と民の力をかけ合わせる組織としてつくられたのが、「神山つなぐ公社」です。
私は戦略策定の段階からコンサルタントの立場で関わりましたが、まちの人たちのエネルギーがすごかった。神山では知らないおばあちゃんでも道で会えばあいさつする。歴史と自然と文化を感じられるところで暮らしながら働きたいと思っていたので、ここなら、と東京から移住して公社の設立から参加しました。
生まれは岡山市で、県外の国立の中高一貫校に通い、現役で九州大学法学部に入りました。特別裕福な家庭ではありませんでしたが、両親が共働きで働いてくれたおかげで、特に生活で困った記憶はありません。一方で、ものごころがついたときから日本経済は「失われた20年」で厳しいと言われ続けてきました。
隠岐滞在が転機に
「縁あって離島の高校を立て直すプロジェクトに参加し、気づいたことがあった」と森山さんは語ります。
いまの若い世代は社会貢献への…