今年の箱根駅伝7区で区間新の快走を見せた青学大7区の林奎介
1月2、3日に行われた第94回東京箱根間往復大学駅伝競走大会(箱根駅伝)で、史上6校目となる総合4連覇を果たした青山学院大が16日、東京都内のキャンパスで優勝報告会を開いた。授業があった選手をのぞき、箱根を走った選手たちが金メダルを首からかけて登壇。原晋監督が「5連覇、6連覇していけるよう努力する」と高らかに宣言すると、学生ら1千人の観客(大学発表)から拍手と声援がわき起こった。
原監督によると、すでに箱根2区で区間賞を獲得した森田歩希(3年)を新主将に任命。新体制をスタートさせた。
注目度が高い大学の3大駅伝(出雲、全日本、箱根)。今季は争いがさらに激しくなりそうだ。箱根4連覇で地力の高さを見せつけた青学大が中心となるが、鬼塚翔太、関颯人(ともに2年)ら主力に2年生が多くスピードに定評がある東海大に、箱根の往路を制し、箱根10年連続3位以内を達成した東洋大、箱根3位の早大もいる。
15日に箱根の往路優勝と総合2位を東京都内のキャンパスで報告した東洋大・酒井監督が掲げた目標は「3大駅伝の制覇」だ。箱根に走った10人のうち9人が残り、10区区間賞で駅伝主将だった小笹椋(3年)が、陸上部長距離部門の主将に就任。3区で区間賞をとった山本修二(3年)が副主将を務める。
酒井監督は課題にスタミナ、スピード、選手層を挙げ、「今年の力だけでは通用しないと思う。走った選手、区間賞をとったものも実業団に行っても通用するレベルまで成長させたい」と話している。
その酒井監督、打倒・青学大はもちろんのこと、他大学への警戒も忘れない。「今年は3冠を達成しようと声を上げるところが多いんじゃないか。東海さんもいいし、早稲田はいいルーキーが入ると聞いている」。区間距離が変更され、前半は距離が短縮されてスピード勝負になりそうな全日本大学駅伝については「各大学、層の厚いところはいいけど、大変になる。おもしろいとは思います」と話した。
青学大・原監督も受けて立つ構えだ。「それぞれの(大学の)キャラを大切にしてもらって、意見をぶつけ合いながら、陸上界全体を盛り上げていきたい」。そのためには「天才」と呼ばれる選手の育成も目指すという。「一人一人のキャラを、個性を立たせるような態勢にシフトしていかないと、天才児が育たない。金太郎あめのような組織にするのはおもしろくない」と持論を展開した。(遠田寛生)