試合後のあいさつを終え、ベンチに引き揚げる創成館の選手たち
(23日、九州高校野球 九州国際大付5―1創成館)
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創成館の九州大会連覇はならなかった。「経験値を上げること」を大会の主眼に置いていたが、打線がつながらず、継投も実らずの準々決勝敗退に、「鍛え直します」と語る稙田(わさだ)監督の表情はさすがに渋い。
九州国際大付の先発山本に苦しんだ。エースではなく、球速も130キロ未満。ただ、テイクバックの小さい独特のフォームから放たれるボールは「手元でナチュラルに球が動いていた」(稙田監督)。苦し紛れに高めの球に手を出した結果、打線は散発3安打と沈黙した。
頼みの投手陣も、先発マウンドを託した左腕の荒木が一回に3ランを浴びるなどして4失点。二回から継投に入ったが、2番手以降も毎回のように得点圏に走者を背負う苦しい投球だ。打線が苦しむ中、売りでもある多彩な投手陣がピリッとしない状態では、流れを奪い返すのは難しい。
昨秋の九州大会を制し、明治神宮大会は準優勝。今春の選抜大会は8強入りと勢いに乗っていた創成館だったが、「力不足」と稙田監督。一回でマウンドを降りた荒木は、「仲良しクラブにならないよう、もう一度やり直します」と唇をかんだ。(吉永岳央)