前日練習で調整する内村航平=北村玲奈撮影
内村航平(リンガーハット)の11連覇はなるか、白井健三(日体大)ら若手がついに止めるのか。体操の全日本個人総合選手権は27日、東京体育館で開幕する。
「自分が一度死んだような感じはある」。前日練習があった26日、内村は言葉を選ぶようにゆっくりと話した。昨年10月の世界選手権の跳馬の着地で左足首を痛め、個人総合の連覇は6で止まった。「また新しい自分を見せていきたい」
国内大会の連勝は続いている。北京五輪直後にあった2008年秋の全日本学生選手権で2位になった後は負けなしで、全日本も08年から10連覇中だ。
29歳になり、「年齢が上がった分、いろんな部分が落ちていると感じる」と話す。復帰戦となった3月下旬のワールドカップ(W杯)ドーハ大会では、出場した4種目すべてで予選落ち。「W杯後は、ストイックすぎるぐらい気持ちを入れ直してやってきて、ようやく前のような自分が戻ってきた」。練習通りに出来れば、まだ負けることはないだろう。
昨年の世界選手権で3位、今月14日のW杯東京大会では優勝と、個人総合でも力をつけている白井は、「内村選手はいつまで経っても偉大な先輩」。昨年の全日本では内村に0・25点差までに迫ったが「僕は順位や点数は気にしない。(2週間前の)W杯よりいい演技を一つでも多く出していきたい」と話した。
女子は3連覇を狙う村上茉愛(日体大)が優勝争いの中心にいる。大会は、今秋の世界選手権(ドーハ)と今夏のアジア大会(ジャカルタ)の2次選考会を兼ねて行われる。(平井隆介)