阪神の福留孝介
(30日、阪神5―1巨人)
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40歳の主将のバットが火をつけた。阪神打線が昨季の沢村賞投手、巨人の菅野から先発野手全員の12安打で5点を奪った。二回1死、5番・福留が149キロ直球を左翼へ。切れるかどうかの打球がポールに当たる。猛攻の起点となった。
「出塁することを考えて打席に入りました。切れずにホームランになってくれて良かったです」。チーム初安打で、今季プロ野球1号弾。菅野のリズムを崩すと、直後に3連打も出た。三回には大山も2ラン。貧打で最下位に沈んだオープン戦がウソのようだ。
金本監督は、昨秋から若手を中心に1キロの重いバットを振らせてきた。今春のキャンプ中も宿舎出発前から約400スイング。オープン戦中も練習量を落とさなかった。「必ずいつか間違いなく実を結ぶ」と、どっしりと構えた。あとはきっかけがほしかった。それを福留がやってくれた。
福留にとっては1月に亡くなった星野仙一さんへの思いを込めた一年になる。中日入団から3年だけの付き合いでも「永遠の監督」と呼ぶ。思い出深いのは新人だった99年の開幕11連勝。「戦う集団になって勝ちにこだわる」という野球観の原体験だ。28日にあった「お別れの会」では、写真の前で「まだもう少し頑張ります」と約束した。
この日の試合前の円陣では、若手の緊張を解こうと笑顔で語った。試合では一発を含む3安打。頼もしいベテランに引っ張られ、最高のスタートを切った。(伊藤雅哉)
○金本監督(神) 「もう、うれしいの一言ですね。(福留)孝介が景気づけに打ってくれた。大山のホームランも完璧でしたね」
○メッセンジャー(神) カーブを有効に使い、7回1失点。「監督を失望させるわけにはいかなかった」
○大山(神) 三回に試合の流れを決める2ラン。「緊張しました。いつもの試合とは全然違った。1打席目のヒットが大きかった」