カウフマンスタジアム名物の噴水の周囲にある手すりには、つららができていた
エンゼルスの大谷翔平が先発登板する予定だった15日(日本時間16日)のロイヤルズ戦は中止になり、6月25日に順延となった。中止理由は「寒さのため」。大谷の次回登板は、17日(同18日)、本拠のカリフォルニア州アナハイムであるレッドソックス戦に決まった。
ロイヤルズの本拠、ミズーリ州カンザスシティーは、4連戦の初戦だった12日は午後7時15分の試合開始時の気温が26度、13日は20度だった。しかし、14日から寒気が入り込み、5度まで急降下。夜もふける試合終盤には雪も舞った。
15日はさらに冷え、午後1時15分試合開始にもかかわらず、お昼の時点で気温はマイナス0・6度。雪がちらつき、風も強い。「体感温度はマイナス8度くらいです」とエンゼルスの球団広報。大リーグ機構と両チーム、審判団が協議し、午後0時47分、中止が発表された。
カンザスシティーは「噴水の街」と呼ばれるほど、市内中心部に噴水が多く、カウフマンスタジアムも外野席の噴水が名物だ。この日は水しぶきが強風にあおられて吹き上がり、「寒いので噴水の周りのテラス席は閉鎖していました」と球場職員。手すりには、つららができていた。
雨が降っても、降りやむまで試合開始を待ったり、中断したりと、日程消化に努める大リーグだが、「寒さ」での試合中止は、たまにある。この日は米中西部が寒気に覆われ、カンザスシティー同様、カブス―ブレーブス戦(イリノイ州シカゴ)も寒さのため中止になった。タイガース―ヤンキース戦(ミシガン州デトロイト)、ツインズ―ホワイトソックス戦(ミネソタ州ミネアポリス)、インディアンス―ブルージェイズ(オハイオ州クリーブランド)は冷たい暴風雨や、吹雪のため中止された。
「ベンチにはストーブもありますし、昨日の感じではそこそこ暖かかったので、大丈夫かな、と」と大谷。体温の低下は故障のリスクにもつながるおそれがあったものの、「よかった、悪かったというところはない。必ずいい経験として自分のものになると思っていたので」と、仮に極寒での投球になったとしても、前向きにとらえようとしていた。(カンザスシティー=山下弘展)