電子ピアノで自作の曲を披露するエイハム・アハマドさん=2018年4月14日、東京都目黒区、高橋友佳理撮影
米国が再び、シリアへの攻撃に踏み切った。シリアの街角でピアノを弾き続け、「戦場のピアニスト」として有名になった男性は、招かれて訪れていた日本で悔しさをにじませた。
「トランプ氏は平和や民主主義をもたらすというけれど、かつてのイラク戦争を見れば、それが実現されないことは明らか。様々な国が介入し、まるで『第3次世界大戦』だ。シリア人たちはなすすべがない」
ダマスカス郊外にあるパレスチナ人難民キャンプで生まれ育ったエイハム・アハマドさん(29)。音楽家の父の影響で小さい頃からピアノを弾き、内戦が始まった直後から、音楽で人々を励まそうとピアノを荷台に載せ、荒廃した街なかで演奏して回った。だが2015年にキャンプが過激派組織「イスラム国」(IS)に制圧されると、ISはピアノを燃やし、街を出るよう要求。ドイツに逃れたが、シリアとの懸け橋になりたいと欧州各地で250回以上、演奏会を開いてきた。
父母や親戚がいまもダマスカス…