安倍晋三首相と中国の習近平(シーチンピン)国家主席が4日夕に電話協議する。中国外交筋が明らかにした。北朝鮮の非核化に向けた対応について議論する見通し。北朝鮮への経済制裁を巡って日中両国に隔たりがあるため、李克強(リーコーチアン)首相の訪日を前に調整する模様だ。安倍首相は、拉致問題の解決に向けた協力も要請するとみられる。
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領による南北首脳会談後、日本は「完全、検証可能かつ不可逆的な方法」で非核化を実現するまで、圧力を維持する方針を確認した。これに対し中国は、非核化と朝鮮半島の平和の枠組み構築を同時に進める考えを重視している。中国外務省によると、2~3日に平壌を訪問した王毅(ワンイー)国務委員兼外相は、北朝鮮側に「非核化目標へ努力することと安全保障上の懸念を解決することを全力で支持する」との考えを伝えた。
9日の日中韓首脳会談に合わせて訪日する李氏と安倍首相の間では、日中首脳会談も予定されている。(北京=冨名腰隆)