6月12日の米朝首脳会談をめぐり、ポンペオ米国務長官は13日、米テレビ番組で、北朝鮮が「完全」かつ「検証可能」で「不可逆的」な非核化に応じれば、米国は見返りとして、北朝鮮の体制を保証する用意があるという考えを示した。
ポンペオ氏、「非核化で米企業の北朝鮮への投資可」示唆
ポンペオ氏は米FOXニュースの番組で、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がトランプ米大統領の要求に応じた場合を問われ、「我々は(北朝鮮に)体制保証を提供しなければいけないだろう」と指摘。そのうえで「この問題は25年間、先送りされ続けてきた取引だ。過去の歴代米政権のもとでは、北朝鮮の指導者はこれが本当に可能になるとは考えなかった」と語った。
ポンペオ氏はまた、同日の米CBSの報道番組で、訪朝時に金正恩氏に対し、「トランプ大統領が望んでいるのは、北朝鮮が核兵器を完全廃棄するのを見ることだ。その代わりに、我々は北朝鮮の人々が豊かになる機会を得るという確約をする用意がある」と述べたことを明らかにした。ポンペオ氏によると、米国の民間企業が電力供給や農業分野で北朝鮮を支援することを想定しているという。
一方、ポンペオ氏は米FOXニュースの番組で、米朝交渉における米国の目標について、「米国の国益はロサンゼルスやデンバーなどに核兵器が撃ち込まれるリスクをなくすことだ。それがトランプ大統領の考えている最終形態だ」と強調。米国の安全保障問題が最優先されるという考えを改めて示した。(ワシントン=園田耕司)