難読の市名を逆手にPRした枚方市の市勢要覧(左)と今回の調査用紙=大阪府枚方市
「まいかた」ちゃうで、「ひらかた」やで――。読み間違えられることが多い大阪府枚方(ひらかた)市が、市名の知名度について全国調査している。9月末まで続け、結果を落とし込んだ全国地図を作製。難読名をPRに生かすべく、年内の公表を目指す。
名付けて、全国「マイカタちゃいます、」分布図調査。5月から、府外在住の人を対象に市のホームページで協力を呼びかけているほか、府外に出張した市職員が自治体に調査用紙の配布を依頼している。
今月14日までに、24都道府県から計129件の回答が集まった。正答が約6割の78件。誤読では「まいかた」が最多の32件で、「まいほう」(千葉・20代男性)、「牧方」と勘違いした「まきかた」(福島・30代男性)なども多かった。日頃、市への電話や郵便物の宛名でも、同様の誤りがあるという。
市文化財課によると、「枚方」の地名が確認できるのは、奈良時代の「播磨国風土記」。「河内国茨田郡枚方里」と記されている。一方、江戸時代から明治初期にかけて、地図などに「牧方」の表記があるそうだ。だが、ふりがなは「ひらかた」。同課は「ひらかたの由来や、一時、牧方になった理由などは分からない」と言う。
大阪府北東部に位置する枚方市は、大阪市や京都市への通勤が便利なベッドタウンとして発展。だが、人口はピークだった2009年の約41万人から、昨年末までに8千人近く減少した。
市は16年から、定住促進策を兼ねた「マイカタちゃいますプロジェクト」を始めた。市勢要覧や翌17年の市制70周年記念誌に、市出身で、地元の遊園地「ひらかたパーク」の「園長」を務める人気グループV6の岡田准一さんを起用し、積極的にPR。昨夏には、定住促進PR用のウェブサイトで伏見隆市長が「住んでくれるなら、マイカタでもいい。」と、笑顔で自虐的にアピールした。
市広報課の野田充有(みつあり)課長は「全国の人に枚方を知ってもらうことがコンセプト。全国の分布図をみて、PRの方法を練っていきたい」と話している。(古田寛也)