スウェーデンの首都ストックホルムの西約60キロにあるストレングネース大聖堂で7月31日昼ごろ、ガラスケースに入っていた同国王室の17世紀の王冠などが盗まれた。容疑者は複数おり、約200メートル離れた湖にとめてあったモーターボートに乗って逃げた模様だ。
ロイター通信などによると、盗まれたのはカール9世(1550~1611)とクリスティーナ王妃(1573~1625)の葬儀で使われた王冠二つと、十字架のついた宝珠一つで、金や真珠、宝石が使われている。事件当時、大聖堂は一般に公開されていたが、王冠などは警報機能のついた鍵付きのガラスケースに入っていたという。
大聖堂の外にいた目撃者は地元メディアに「男2人が大聖堂から湖に走っていき、白い小さなモーターボートに飛び乗った。すぐに泥棒だと思った」と話した。
英BBCなどによると、警察の広報担当者は「こうした品に値段をつけるのは不可能。取り扱う用意のある人間はかなり限られており、早晩取り戻せる」と話している。(ロンドン=下司佳代子)