東京都は24日、都内で9月1日に営まれる関東大震災の朝鮮人犠牲者の追悼式典に対し、小池百合子知事が今年も追悼文を送らないと主催者に伝えた。主催者は「震災という自然災害の犠牲者と、人の手によって命を奪われた犠牲者を同列に見るものだ」と抗議する声明を発表した。
式典は、1923年の関東大震災で「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマを信じた住民らに虐殺された朝鮮人らを悼むため、日朝協会などが墨田区で開いている。毎年、都知事が追悼文を送ってきたが、小池氏は昨年、別の行事に追悼文を送ったことで「全ての犠牲者に哀悼の意を示しており、個別の形での追悼文は控える」と中止した。
送付再開を知事に求めていた主催者は「知事は朝鮮人虐殺の事実を認めず、過去の歴史に学ぶ姿勢が見られない」と批判している。(編集委員・北野隆一)