津波の直撃を受けた岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)地区の小中学校跡地に、来秋のラグビーW杯で唯一の新設会場となる復興スタジアムが完成した。6530人の観客が集まった19日の記念式典では、震災で母校や自宅を失った釜石高2年の洞口留伊(るい)さん(17)が約4分のスピーチを読み上げ、小さなスタジアムが持つ大きな意義を際立たせた。
「私は釜石が好きだ」で始まったスピーチ。7年前のあの日、洞口さんはこの場所にあった鵜住居小の3年生だった。
算数の授業中に被災。防寒着を着て校舎の5階から、振り返る余裕もなく高台へと逃げた。思い出すのは避難先の体育館で分け合ったおせんべいと、紙コップを回して飲んだ水の味。数日後におにぎりを食べた時、「生きていることの喜びをじんわりと感じた」と紹介した。
鵜住居にあった自宅は津波に流…