創部100周年の早稲田大ラグビー部が4日、新しいユニホームのデザインを発表し、10季ぶりとなる大学日本一の返り咲きを誓った。
ユニホームのコンセプトは「原点回帰」。オールドファンにもなじみのある、白い襟が付いたものに戻し、エンジと黒のボーダーもこれまでは「W」の型を模していたのをクラシックな直線の型にした。モデル役を務めたSH斎藤直人とセンター中野将伍は「憧れていた頃の早稲田のユニホーム。モチベーションになる」と語った。
早大は今季、OBの相良南海夫(さがらなみお)監督が就任し、大学日本一をめざしている。相良監督は1991年度の主将だった時に比べ、「ラグビーがシステマティックになり、選手も監督やコーチの言われた通りにやっているのでは」と感じた。「学生中心にやるのが早稲田ラグビー。もっと能動的にやってほしい」。今春から、前に出る防御を基礎にチームをつくりなおし、学生が防御をどう組み立てるか考える時間を与えてきたという。
少しずつ成果も見えてきた。8月に菅平合宿で対戦した帝京大との練習試合は28―14で勝利。相良監督は「8年間、帝京大に勝っていなかったという事実を踏まえれば、練習試合とはいえ壁を払拭(ふっしょく)できるきっかけになるのでは」と語る。
SH斎藤とSO岸岡は1年からコンビを組んで3年目。バックスには今冬の花園を制した東海大仰星高(大阪)出身のセンター長田、FB河瀬が加わり、層の厚みが出てきた。SH斎藤は学生で唯一、日本代表の候補選手47人の一角に名を連ねた。「候補に選ばれ、うれしい半面、責任もある」。当面は日本代表の合宿と早大でのプレーを両にらみで準備することになりそう。
早大が最後に大学選手権を制した2008年度の決勝の相手が帝京大。その翌年度に初優勝した帝京大が未到の大学9連覇を果たした。斎藤は言う。「毎年、日本一という目標を掲げながらも結果を出していない。今年こそしっかり優勝したい」。まずは9日、関東対抗戦で筑波大との開幕戦を戦う。(能田英二)