忠鉢信一記者の目
体操女子の宮川紗江選手への暴力や暴言が明らかになり、登録抹消処分となった速見佑斗コーチが5日夕に記者会見を開きます。速見コーチはナショナルチームや前所属先で繰り返し注意を受けていたにもかかわらず、暴力的指導を繰り返していました。すでにその事実を認め、処分を受け入れることも表明しています。
なぜ選手は暴力を受け入れるのか 気づかない「ゆがみ」
体操の速見コーチ、処分を受け入れ 暴力行為で「反省」
体操・宮川、コーチ処分の見直し訴え 協会は正当性主張
そもそも、なぜ指導者は暴力をふるってしまうのでしょうか。そこから抜け出すには、どうしたらいいのでしょうか。
暴力や暴言を使った指導は許されないだけでなく、効果が低いとされています。賞罰によって刺激された気持ちより、選手の心の中の興味や関心からわき出る意欲の方が大きな成果につながる、というのが心理学やコーチ学の定説です。
怒りの制御方法を10年以上教えている日本アンガーマネジメント協会の安藤俊介代表理事は「スポーツの指導者に限らず、怒るのは性格のせいではない。多くの人が、怒ることが人を動かす最もいい方法だと思い込んでいる。それが間違い」と指摘します。
思い込みの原因は、その人の経…