1882年に建築が始まり、なお未完のスペイン・バルセロナの世界遺産サグラダ・ファミリア教会が、市の建築許可を得ずに工事を進めていたとして、教会が3600万ユーロ(約47億円)の「解決金」をバルセロナ市に支払うことでこのほど合意した。地元紙バングアルディア紙が報じた。
同紙などによると、建築家アントニオ・ガウディは1885年に地元自治体に教会の建築許可を得た。しかし、その後自治体がバルセロナ市に吸収合併され、必要な更新がされていなかったという。教会が今後10年かけて3600万ユーロを支払う代わりに、市は工事を「合法化」する。支払いは周辺の混雑を緩和するための交通網整備にあてる。
サグラダ・ファミリア教会はガウディの代表作で、年間450万人が訪れる世界的観光名所。ガウディ没後100年にあたる2026年の完成をめざして工事が続いている。(パリ=疋田多揚)