業績不振が続く大塚家具が、今月下旬で終える予定だった最大8割引きの「在庫一掃セール」を1カ月ほど延長することを決めた。大幅値引きのセールの効果で、低迷続きの売り上げが回復しているため。
大塚家具、最大8割引きの緊急セール 沈黙貫く久美子氏
大塚家具、身売りへ 提携先のTKP軸に最終調整
セールは全国12店で9月下旬に始めた。当初は10月28日までの予定だったが、11月25日まで期間を延ばす。同社によると、10月の店舗売上高は昨年7月以来15カ月ぶりに前年を上回る見通しという。
同社は販売の落ち込みに歯止めをかけられず、資金繰りが厳しい。2015年末に109億円あった現預金は、18年6月末には22億円まで急減した。セールの延長によって手元の現預金を確保し、当面の運転資金に充てる狙いとみられる。
ただ、出血覚悟の値引きセールは一時的な売り上げ増には貢献するものの、支援先は決まらず、抜本的な再建策は示されないままだ。「セールは時間稼ぎにしかならない」(大手証券幹部)との見方も出ている。(筒井竜平)