財務省が8日発表した2018年度上半期(4~9月)の国際収支(速報)は、貿易や投資による内外のお金の出入りを示す「経常収支」が10兆6473億円の黒字だった。台風21号や北海道胆振(いぶり)東部地震などの自然災害の影響で輸出が伸び悩み、黒字幅は前年同期より9576億円縮小した。
輸出入によるモノの出入りを示す貿易収支は1兆1691億円の黒字だったが、1兆5472億円減った。台風で被災した関西空港や地震のあった北海道からの輸出額が大きく落ち込む一方、原油価格の上昇で輸入額もふくらんだことが響いた。
一方、海外の子会社や投資先からの配当金などによる第1次所得収支は11兆2837億円の黒字と、8713億円増えた。旅行収支は、訪日外国人客の増加で半期としては過去最大の1兆1374億円の黒字だった。
9月単月の経常収支は1兆8216億円の黒字だった。黒字は4年3カ月連続だが、黒字幅は前年同月より4367億円減った。(笠井哲也)