テレビやラジオでのハイテンションな野球実況で知られる、小野塚康之アナウンサー(62)。3月に約40年働いたNHKを離れ、フリーに転身し、活動の場を広げている。インターネットでの野球中継など新たな舞台への挑戦や、実況者として長年携わる高校野球への思いなどについて聞いた。
ハイテンション実況アナ、佐賀北に「勉強させられた」
「いい当たりーっ」「サヨナラァ~、サヨナラァ~!」。まさに心の叫びだ。勝負の場面以外でも、観客らに水を飲むよう優しく呼びかけたり、スタンドで演奏される民放局の高校野球応援ソングに触れたり。時に「NHKらしからぬ」と評されたその実況は、多くの人を引きつけてきた。中でも、2007年夏の甲子園決勝、佐賀北・副島浩史選手の逆転満塁弾の場面での「ありうる最も可能性の小さい、そんなシーンが現実でーす!」は、ファンの間で語り継がれている。
「野球に近いところにいたい」とNHKに入局以来携わってきた野球実況。だが、今春の甲子園中継には登場せず、ファンの間には衝撃が走った。NHKをやめていた。
90歳を超える母親のことが、…