英国と欧州連合(EU)の離脱交渉で、英国の離脱条件を定める協定案が、英国の閣議で承認された。EU加盟国はおおむね歓迎する姿勢で、英国とEUの間で正式な合意に近づいたが、英国内では激しい批判を浴びている。
英政権、EU離脱協定案を閣議承認 議会承認は見通せず
「今回の協定案か、合意なしの離脱か、離脱しないか。選択肢は明確だ」
英国のメイ首相は閣議後にこう語り、協定案に反発する勢力を牽制(けんせい)した。
だが英BBCによると、閣議で承認に至る前には、ハント外相やジャビド内相ら、重要閣僚から協定案に反対する意見が次々に出たという。閣僚の辞任はなかったものの、政権が一枚岩ではないことを改めて露呈した形だ。
英国とEUが折り合った「非常措置」について、メイ氏の与党・保守党に閣外協力している北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)のフォスター党首は「(一部でも北アイルランドを特別扱いする協定案を)心配している」と語り、同党が重視する北アイルランドと英本土の一体性への悪影響に、懸念を表明。議会で協定案に反対する可能性を示唆している。
英国の「主権回復」を重要視す…