ラグビーを通じた日英両国の交流に尽くし、イラクで復興支援中に殺された外交官、奥克彦さん(享年45)の急逝から29日で15年になる。日英の旧友らは遺志を継ごうと追悼試合を毎年続け、今年は17日に英国で行われた。来年は、奥さんが招致に努めたワールドカップ(W杯)日本大会にあわせ日本で開かれる。
奥さんは早大2年の時に外交官をめざしラグビー部を離れたが、外務省から留学した英オックスフォード大のラグビー部で活躍。後に日本ラグビー協会委員にもなり、在英大使館参事官としてW杯招致に動いたが、派遣先のイラクで2003年に殺害された。
「奥記念杯」と呼ばれる追悼試合は早大とオ大のOBらも参加する対戦で、奥さんが亡くなった翌04年から毎年続く。記念杯を始めた一人で、ラグビーのトップリーグ・ヤマハ発動機監督の清宮克幸さん(51)は10月下旬、早大上井草グラウンド(東京都杉並区)を訪れ、こう思い返した。
「奥さんとつきあった人は、みんなエネルギーをもらうんです。周りの人たちを前進させるエネルギーのかたまりだった」
早大では奥さんの9年後輩。0…