ソフトバンクグループ(SBG)は10日、通信子会社ソフトバンクを19日に上場させることに伴う調達額が、約2兆6千億円で確定したと発表した。国内での上場による過去最大の調達額となる。ただ、6日におきた大規模な通信障害を受け、市場関係者からは十分な購入申し込みがあるか懸念する声も出ている。
ソフトバンク上場で2.6兆円調達 NTT超え過去最大
1株あたりの売り出し価格は1500円で、上場先は東京証券取引所1部に決まった。売り出し価格をもとにしたソフトバンクの時価総額は約7兆円にのぼる。SBGは現在99・99%保有するソフトバンク株の約37%を売り出す。
上場に伴う調達額としては、これまで国内最大だった1987年のNTTの約2兆3千億円を上回る。海外では、中国のネット通販最大手アリババグループが2014年、米ニューヨーク市場に上場し、約2兆7千億円を調達したのが過去最大とされる。
SBGは調達する資金を元手に、AI(人工知能)などの先端技術を持つベンチャー企業への投資を加速させ、市場が頭打ちの携帯電話事業から投資会社への脱皮を急ぐ。これまで大型買収を繰り返し、有利子負債が9月末時点で約16兆6千億円にのぼることから、調達資金は負債の削減にも使われる見通しだ。
株式購入の申し込みは11~14日。市場関係者によると、売り出す株の大部分は国内の個人投資家向けだ。ただ、6日の大規模な通信障害を受け、「政府の携帯電話料金値下げ方針に、通信障害という分かりやすい悪材料が重なり『大丈夫か』などと、購入をためらう投資家の声も出ている」(大手証券)という。
すでに株価には影響が出ている…