スーパーを展開するバローホールディングス(HD、岐阜県恵那市)が同業のアークス(札幌市)、リテールパートナーズ(山口県防府市)と資本業務提携を結んだ。株を持ち合い、収益力強化のために効率化を加速させる。持ち株会社化も視野にいれる。
25日に発表された3社連合の名称は「新日本スーパーマーケット同盟」。取引先情報を共有し、資材を共同で購入。店舗の開発や運営で協力し、経理、財務などバックオフィス業務の統合も検討する。バローHDが手がけるスポーツクラブの全国展開を進める。
バローHDとアークスは他の2社にそれぞれの株式を約2・3%ずつ、約32億円で割り当てる。リテールは他の2社に株式を約6・7%ずつ約32億円で割り当てる。3社の売上高は単純合算で計約1・3兆円だが、参加企業を増やし、5年後をめどに3兆円規模をめざす。
小売業界はイオンとセブン&アイHDを中心にした業界再編が進んでいる。このため、3社連合は地方スーパーの受け皿を用意する必要があると判断した。26日に名古屋市内で会見したバローHDの田代正美会長兼社長は「地域の独立系スーパーは、人口減と業態を超えた競争に直面し、生き残りが難しい。流通の変化は止められないので、自分たちが先頭に立とうと思った」と話した。(斉藤明美)