ノーサイドの笛が鳴る。0―89。28日の全国高校ラグビー大会1回戦。香川代表の高松北は、関商工(岐阜)になすすべなかった。これで、出場した13回すべてで1回戦敗退となった。
見せ場は70点差をつけられた後半10分過ぎ。敵陣深くから主将のCTB高木涼矢、SO牟礼翔明(むれとあ)が攻め込んだ。が、ゴールラインは遠かった。「あそこで取り切らないといけなかった」。高木はそう悔やんだ。
主将は、高木智監督の息子だ。「花園1勝」を掲げてともに歩んできたが、壁は高かった。部員22人の高松北が1回戦を突破するためには何が必要なのか。高木監督は「あきらめない、チャレンジし続ける、ということです」と赤い目で声を張り上げた。
高松北OBには、不可能と思われた夢を現実にした男がいる。トップリーグ日野のCTB片岡将(30)。社会人8年目の今季、悲願のトップリーグデビューを果たした。
高校時代は2年続けて花園に出…