第98回全国高校ラグビー大会第3日は30日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で2回戦16試合があった。
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「2勝して花園で正月を過ごす」。そんな目標を掲げた早稲田実(東京第1)は2回戦で力尽きた。春の選抜大会4強、FWの力強さは大会屈指と評判の流通経大柏(千葉)に0―53でやられた。「太刀打ちできないくらいの完敗です」。普段は穏やかな大谷寛ヘッドコーチ(HC、41)も、さすがに元気がなかった。
就任5年目で、母校を初の花園に導いた。ラグビー中継を得意とする有料放送チャンネル「Jスポーツ」でプロデューサーを務める大谷HCが練習に参加できるのは週1回程度。土日にはラグビー中継の仕事が多く入るため、公式戦に行けない日もあった。
それでも選手たちの信頼は厚い。副将のCTB植野智也(3年)は「最後まで尊敬できる人です」。選手の体作りを担当する橋本新コーチは「どんなにレベルの差があっても、全員を絶対に受け入れる。早稲田ラグビーの哲学を持っている人だと思う」と評した。
大谷HCが影響を受けた人物は…