米航空宇宙局(NASA)は、無人探査機ニューホライズンズが米東部時間1日午前0時33分(日本時間1日午後2時33分)ごろ、地球から64億キロ離れた太陽系外縁に広がる小天体群「エッジワース・カイパーベルト」にある天体の近くを通過した、と発表した。天体は最果ての地を意味する「ウルティマ・トゥーレ」と名付けられている。人類が探査機で観測した最も遠い天体となった。
撮影された画像から、ウルティマ・トゥーレは長さ約32キロ、幅16キロのボウリングのピンのような形をしており、プロペラのように自転していることが分かった。探査機からの観測データは今後20カ月にわたり地球に送られる。
ニューホライズンズは冥王星を調べるために2006年に打ち上げられた。15年夏に冥王星への接近、観測に成功。その後、観測対象を16億キロ離れたウルティマ・トゥーレに変え、約3500キロの地点まで近づき時速5万キロ以上で通過した。
カイパーベルトは、太陽から最も遠い太陽系の惑星・海王星の外側にドーナツ状に広がり、無数の天体が集まる。ここにある天体を調べることで、太陽系の成り立ちの解明につながるとされる。(ワシントン=香取啓介)