日本企業が関わるM&A(企業の合併・買収)が2018年に件数・金額とも過去最高になった。ベンチャー企業が絡む案件が増え、全体の件数を伸ばした一方、武田薬品工業が日本企業としては過去最高となる7兆円規模の買収を果たし、金額を押し上げた。
M&A助言会社大手のレコフが4日公表した。
18年に日本企業が関わったM&Aは、前年比26・2%増の3850件だった。前年を上回るのは7年連続。特に、新技術の取り込みを狙う大企業が、先進的なベンチャー企業に対してM&Aを実施するケースが前年より5割多い1313件に上った。
金額は前年の2・2倍の計29兆8802億円で、これまで最高だった1999年を上回った。アイルランドの製薬大手シャイアーを約7兆円で買収した武田や、51件・計約9兆円のM&Aをしたソフトバンクグループなどが引っ張った。
日本企業が海外企業に対してM&Aをすることが増え、金額面で大型化する要因になっているという。(榊原謙)