昨夏の甲子園で準優勝した金足農野球部が、毎年恒例の冬合宿を秋田県三種町で続けている。引退した吉田輝星投手ら3年生が「一番つらかった」と言いつつ、試合中の心の支えとした5泊6日の過酷な合宿。先輩たちに負けまいと、1、2年生が心と体を鍛えている。
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合宿は13日までで、走り込みによる体づくりが中心。午後は屋内練習だが、午前中は長靴を履いて20センチ以上積もった雪の中をひたすら走る。旧スキー場の勾配を何度も上り下りし、自分を奮い起こすため、あちこちで「アー!」と叫ぶ選手の姿が。その後もリレー対決をしたり、互いをおぶって急な坂を上ったりと厳しいメニューが続いた。
選手らは「全部きついっす」と口をそろえたが、中泉一豊監督は「ただきついだけの練習になってはダメ」。狙いは「簡単に諦めない」「声をかけて助け合う」心の強さ。3年生も冬合宿を経て徐々に意識が変わったという。監督は「体力はもちろん、精神的に成長してほしい」と期待をこめた。(野城千穂)