英国の欧州連合(EU)からの離脱をめぐり、英政府は17日、英議会が賛成202、反対432で否決したEUと英国との離脱協定案の代替案を、29日に採決すると発表した。だが、現状ではメイ首相と議会が妥協点を見いだすのは難しく、3月29日の離脱期日の延期もやむを得ないとの声が他の加盟国から上がる。
メイ首相「何なら支持するの」EU離脱案、展望なき否決
メイ氏は、EU側と合意した離脱協定案を歴史的大差で否決された後、最大野党・労働党から内閣不信任案を突きつけられた。これは16日の議会で否決され、続投となった。今後、議会側と折衝を続け、21日までに代替案を示す。
ただ、協定案の微修正で乗り切りたいメイ氏と議会との隔たりは大きい。29日の採決でも否決されれば事態は一段と不透明になり、市民生活や経済活動に混乱を招きかねない「合意なし離脱」の可能性が高まる。
一方でメイ氏は16日の議会で「英国内で合意できる案があって初めて、EUが(離脱期日の)延期を検討するだろう」と発言。国内での合意の道筋さえ見えれば、期日を延期してでも離脱を実現する、との考えを示した。従来の「離脱時期は変えない」とかたくなだった態度を軟化させた。
他の加盟国からもマクロン仏大統領が15日、「EUとの再交渉には時間がかかり、(5月下旬の)欧州議会選をまたぐこともありうる」。アルトマイヤー独経済相も16日、DPA通信に「理性的な解決策を見つけるため、『考える時間』を検討する余地がある」と延期の可能性に触れた。
ただ延期には、英国以外のEU…