英国の欧州連合(EU)からの離脱を巡り、メイ英首相が離脱条件についてEU側に再交渉を求めることになった。英議会下院が29日、離脱協定案の修正をすれば支持するとの動議を可決したためだ。だが、EU側は再交渉に難色を示す。展望が開けないまま3月29日の離脱日が迫る。
ブレグジット13の焦点 これからどうなる?
国際ニュースを解説「今さら聞けない世界」
英議会の1月29日の採決は、メイ氏がEUと合意して議会に示した離脱協定の原案が15日、歴史的大差で否決されたのを受けてのものだ。各党の有力議員らが修正動議を持ち寄った。
採決した七つの動議のうち、賛成317、反対301で可決されたのは、英国全体がEUの貿易ルールに従う「非常措置」に代わる策を政府が用意すれば支持する、との案だ。ほかにも、EUと離脱協定が正式に結べないまま3月末を迎える「合意なき離脱」の回避を目指す案は可決。一方、「離脱期日の延期」が盛り込まれた案や「国民投票の再実施」を可能にする案は否決された。
問題の「非常措置」は英国の離脱後、自由貿易協定の締結などが間に合わない場合に備え、メイ氏とEU側が合意した策だ。英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドとの間で税関検査が復活するなどして、地続きの地域が分断されるのを避ける狙いだった。
だが、EUルールに従う期間は…