「コルク素材」にこだわる加工会社が、三重県四日市市にある。コルク素材を前面に出した下駄が、注目されはじめた。製品をさらに普及させるための、新たな一手とは。
――コルク素材を前面に出した下駄(げた)が人気です。
「『WA―GETA(和下駄)』と名付けた新商品で、今年発売しました。足裏が直接触れる部分にコルクを使い、一目でコルク製品だとわかるようにしました。(インターネット上で投資家からお金を集める)クラウドファンディングを活用したところ、数日で目標の100万円を大きく上回り、合計240万円が集まりました。全国226人が賛同してくれました。いまはオンラインでの販売のみですが、この夏は1千足超の商品をつくりました」
――履物に、コルク素材を使うメリットは何でしょうか。
「コルクは空気を豊富に含み、適度な保温性や柔らかさがあり、昔から草履など和装用の履物の芯の部分に使われてきました。私たちの会社でも創業以来、芯材の製造に携わってきました。しかし時代が変わって和装業界は縮小しています。草履などを普段履きする人も減っています。履物メーカーでは、後継者不足もあいまって廃業が続いています」
「芯材以外の新たな収益の柱が…