ローマ法王庁(バチカン)は16日、子どもや神学生らに性的虐待をしたとして枢機卿を解任したワシントン名誉大司教のセオドア・マカリック氏(88)について、聖職者としてのすべての地位を解くと発表した。
法王庁はマカリック氏による虐待の罪を認定し、15日に本人に決定を伝えたという。
カトリックの聖職者による性的虐待問題は、2002年に米マサチューセッツ州の神父による被害をボストン・グローブ紙が報じて以来、各国で相次いで発覚。フランシスコ法王は被害者に面会して謝罪を重ねてきた。法王は、今月21日からバチカンで未成年者の保護についての会議を開く予定で、決定は、性的虐待問題に厳しく臨む姿勢を示したものとみられる。(ローマ=河原田慎一)