3月末に迫る英国の欧州連合(EU)からの離脱をめぐり、最大野党・労働党のコービン党首は25日、国民投票の再実施を支持すると表明した。これまでは政権交代を目指して解散総選挙を主張してきたが、党利党略を優先していると党内でも批判され、国民投票を求める議員が集団で離党する事態になっていた。
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今回の表明は、与党・保守党との対抗軸を明確にし、求心力を取り戻して離党に歯止めをかける狙いがみえる。ただ、国民投票の再実施は、離脱を決めた2016年の国民投票の結果を軽視するものだとの批判もあり、英議会で過半数の支持を得られる見通しは立っていない。労働党の支持基盤である地方の旧炭鉱・工業地帯では離脱支持が強く、こうした選挙区選出の議員らからは反発も出そうだ。
労働党は、EUとほぼ現状通りの貿易関係を続ける親EU路線の離脱を主張する。1月にメイ内閣への不信任案を提出したが英議会で否決され、党内では国民投票の再実施を求める声が強まっていた。(ロンドン=下司佳代子)