インドのホテル最大手OYO(オヨ)とヤフーは日本で不動産賃貸事業「OYO(オヨ) LIFE(ライフ)」を3月に始めると発表した。インドで急成長したベンチャー企業が日本に進出し、不動産事業に乗り出す。
オヨ・ライフは家具・家電つきで敷金や礼金がかからず、利用者はスマートフォンだけで入居から退居までの手続きを完了できる。オヨ自身が借り主として不動産オーナーから物件を借り、それを転貸する形を取るため、従来の不動産賃貸仲介業者が必要とする対面での手続きが不要という。
インドの「黒船」OYO、日本で不動産事業展開の狙いは
賃料は一人暮らし向けで10万~15万円。家賃のほか、光熱費やインターネット代、清掃費も含む。最低1カ月は住むことが条件だが、1カ月前までに通知すればいつでも退去できる。3日以内の「試し住み」もできる。まずは都心で生活する20~30代の単身世帯をターゲットに、住みたい街に簡単に引っ越ししたいという需要をねらう。
物件は現在募集しており、3月末までに東京都内を中心に1千室の獲得をめざす。
オヨは2013年、創業者のリテシュ・アガルワルCEO(最高経営責任者)が19歳で設立したベンチャー企業。人工知能(AI)で需給などのデータを解析し、料金をリアルタイムで変更する格安ホテルチェーンとして急成長した。創業5年だが現在はインド、中国など8カ国で8500以上のホテルを運営する。ソフトバンクグループの「10兆円ファンド」からも出資を受けている。(栗林史子)