全日本柔道連盟は1日、東京都内で会合を開き、柔道男子66キロ級で五輪2大会連続金メダルの内柴正人氏が指導スタッフを務めるキルギスの代表チームに対し、8月に東京・日本武道館で開幕する世界選手権で来日した場合に、練習相手の仲介や出稽古先の紹介を求められても全柔連としては応じない方針を固めた。柔道関係者への取材でわかった。
内柴氏は2004年アテネ、08年北京の両五輪で金メダルを獲得。現役引退後の11年、当時指導していた大学の女子部員に乱暴したとして準強姦(ごうかん)罪に問われ、13年に一審、二審とも懲役5年の判決を下された。全柔連からは13年に会員登録の永久停止処分を科されている。昨年夏にキルギスで指導者となり、全柔連では今年2月の国際大会でキルギス代表の柔道着を着ている姿を確認しているという。
これまで全柔連では、来日した他国の代表チームなどから練習相手や出稽古先を求められれば、協力的に仲介やあっせんに応じてきた。
全柔連関係者は「合宿の受け入れ先を探してくれと依頼されても、全柔連としては『できません』となる。キルギスの選手だけなら仲介に応じてもいいのではないかという議論もあったが、協力した後に内柴氏が付いてきたらどうするということでこういう方針になった。常識的な対応だと思う」と指摘。「刑期満了で出所しているが、柔道界としては永久資格停止処分となっている」と話した。
世界選手権は国際柔道連盟(IJF)が主催する大会のため、大会自体にキルギス代表は出場できる。