宅配便最大手のヤマト運輸は14日、今春闘でベースアップ(ベア)を含む賃上げ額を月8052円とすることで労働組合と妥結した。労組の要求は1万1千円だったが、同額の要求で満額回答だった前年を下回った。パート組合員の時給は平均38円引き上げる。前年の引き上げ額は42円で、こちらも前年割れした。
運転手の労働環境を改善するため、年間の総労働時間を前年より80時間(約3%)減らしたり、年次有給休暇の取得率を前年実績より10ポイント高い80%以上にしたりすることでも合意した。店長など管理者の負担も軽くするとした。今後増える見込みの60歳以上の社員の処遇改善を検討することでも一致した。
一方、日本通運の労使は同日、月4780円の賃上げで妥結した。ベアと定期昇給を合わせた額で、労組の要求は4830円だった。前年は1万1千円の要求に対して5260円の回答だった。