英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)はさらに半年、最大で10月末まで延期されることになった。しかも延期の条件として、英側に「誠実な協力」(sincere cooperation)を求めた。英国がEUに残る間、EUの政策議論を邪魔するな、というものだ。こうした要求に結びついた裏には、英議員によるEU側の気持ちを逆なでするあるツイートがあった。
離脱延期について議論したEU臨時首脳会議の10日付の共同声明は「誠実協力規定」として、以下の条件を盛り込んだ。
・延長期間中、英国は誠実な協力の義務に従い、建設的で責任ある行動をする。
・英国は、離脱する加盟国として条約上の義務、責任を果たす。
・EUの課題達成の手助けをする。
・特にEUの政策決定過程に参加する際は、EUの目標達成を危機にさらすような、いかなる行動も慎む。
この規定は、共同声明全体の9項目のうち、1項目として独立し、分量は最も長かった。EU高官によると、会議の中で「特にEUの政策決定過程に参加する際は」という文言が加えられるなどして、草案からさらに厳しくなったという。
会議後、記者会見でこの条件の真意を問われたトゥスク首脳会議常任議長は「我々の仕事を中断させるために英国が、政治的な妨害やトリックをしないよう、政治的な確約を得ることを狙ったものだ」と述べた。英への不信感が背景にあることを暗に認めた。
一方、メイ英首相は「条約の義務を超えた、いかなる条件もつけられていない」と強調した。
こうした規定をつけることにな…