濁流の中でカヌーに乗った選手が宙返りしたり、水中に潜ったり――。そんなアクロバティックな競技がある。カヌー・フリースタイル。「水上のロデオ」とも呼ばれるこの種目の魅力を、国際大会で活躍する女子選手に聞いた。
「水の力を使って、縦や横に回転するんです。大きな技を決めるのが好き。ときには水中から数十センチも飛び上がるんですよ」。そう語るのは、世界選手権でメダルを取った経験もある末松佳子(37)だ。
フリースタイルに出会ったのは、地元の岐阜県でラフティングガイドの仕事をしていた12年ほど前。「同僚でやっている人がいて、かっこいいと思って」と練習を始めた。
フリースタイルは種目が二つある。水中から飛び上がって技を披露する「フリースタイル」と、カヌーごと潜水したり、先端だけを水中に沈めたりしながら技を決める「スクォート」。どちらも45~60秒の間に数種類の技を披露し、出来栄え点を競う。
使う船もそれぞれ違う。フリー…