宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、小惑星「リュウグウ」の地表に人工クレーターを作ることに成功したと発表した。探査機「はやぶさ2」が上空から確認した。小惑星でのクレーター作成は世界初。5月下旬にも着陸して試料の採取を目指す。
小惑星になぜクレーター? 地中から地球の水の由来探る
人工クレーターは5日、はやぶさ2から分離した衝突装置を使って金属の塊を地表に撃ち込んで作成した。上空1・7キロから地表を撮影し、地形のへこみや岩や砂の噴出跡が確認できた。事前の画像と比べた結果、クレーターは直径約10メートルと推定される。深さは現時点では不明だという。周辺には、衝突で散らばった岩や石が積もったとみられる黒い部分が幅約40メートルにわたり確認できた。
リュウグウの地中には、太陽系が誕生した46億年前の水や有機物が「新鮮」な状態で岩石の中に残っているとされる。着陸してクレーターの砂や石を採取できれば、地球の水の起源や太陽系の成り立ちの解明につながる。
津田雄一プロジェクトマネージャは「明らかなクレーターができ大成功。リュウグウに足跡を残せて、飛び上がるくらいうれしい」と話した。
一方、画像からは険しい地形が…