宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日、小惑星「リュウグウ」の地下にある砂や石を採取するため、4月5日に探査機「はやぶさ2」の衝突装置を爆発させて、人工クレーターを作ると発表した。5月下旬以降、2回目の着陸をめざす。
小惑星の地中から試料の採取に成功すれば世界で初めて。リュウグウの地中には、太陽光などで風化していない水や有機物が豊富に含まれているとされ、太陽系誕生の謎の解明につながるという。
はやぶさ2から分離した衝突装置を、高度200~300メートルで爆発させ、銅の塊を秒速2キロで地表に衝突させる。クレーターの候補地はリュウグウの赤道付近で、2月の着陸地から東へ約800メートルの地点。直径数十センチ以上のクレーターができれば、地下の砂や石がむき出しになるという。爆発の影響を避けるため、はやぶさ2は約4キロ離れた裏側に退避し、クレーターができる様子は、事前に分離したカメラで撮影する。着陸と試料採取は、クレーターの様子を観察後、5月下旬以降に予定する。
プロジェクトエンジニアの佐伯孝尚さんは「探査機がリュウグウにぶつからないよう、素早く精度よく退避できるかがポイントになる」と話している。(石倉徹也)