体操ニッポンの新エース候補、雪辱なるか。世界選手権(10月、ドイツ)の代表選考会を兼ねて5月18、19日に東京・武蔵野の森スポーツプラザで行われるNHK杯の前日会見が17日に開かれ、4月の全日本個人総合選手権で連覇を果たした谷川翔(順大)は、「NHK杯をもらっている自分を想像すると、しっくりくる」と、優勝を宣言した。
谷川翔にとっては「リベンジの舞台」となる。
昨年4月の全日本では、内村航平(リンガーハット)や白井健三(日体大大学院)をおさえて優勝。19歳2カ月での全日本制覇は史上最年少の記録だった。
だが、「優勝が衝撃的すぎて、余韻にひたって満足してしまった。調子に乗った」。全日本の点数を持ち込んで戦う翌月のNHK杯では鉄棒で落下するなどミスを連発。4位に沈み、優勝どころか世界選手権の代表にすらなれなかった。
今年は違う。「全日本では着地があまり決まらなかった」と、気を緩めずに練習を続けてきた。
全日本で内村は予選落ちしたため、今大会は欠場。近年、内村に続く存在だった白井も点数を伸ばせず、30位からのスタートだ。
昨秋の世界選手権でロシア、中国との差を見せつけられた日本。30歳という内村の年齢を考えても、「新エース」と呼べる選手の台頭は必要不可欠。その一番手に名が挙がる20歳は「6種目やれば結果はついてくる。やりきることに集中したい」。(山口史朗)