美しさを引き立てるのはメイクから――。新体操の日本代表「フェアリージャパンPOLA」が、勝負メイクに掲げたテーマは「調和」。2020年東京五輪出場を目指す選手たちが31日、試合用メイクの講習を受けた。
新メイクがこの日、発表された。名付けて「Harmonized Beauty~令和メイク~」。直訳すると、「調和(された)美」となる。昨年は紫とグレーだったアイシャドーをブラウン(茶色)に変え、真っ赤だったリップは「令和を象徴する梅の花になぞらえ、梅色のニュアンスをプラスした」という。
メイクを手がけるポーラの美容コーチ桝(ます)浩史さんは「日本チームの強みは、世界に引けを取らない『調和美』。そこを意識した」と説明する。アイシャドーのブラウン、梅色のリップはともに、「肌になじみやすく、バランスが取りやすい」のだという。
2008年北京、12年ロンドン五輪の新体操日本代表で、現在はフェアリージャパンPOLAのアンバサダーを務める田中琴乃さんによると、メイクが直接、採点に影響することはないという。だが、「審判に与える印象は変わってくる。キラキラした衣装を着るので、表情も強くなければいけない」。
団体は5人の選手が五つ子のように見えることがポイント。「アイシャドーの濃さとか、メイクをそろえるのは難しい。みんなで顔を見合わせ、お互いに言いながらやっています」と主将の杉本早裕吏(さゆり)は話す。
今季の目標は9月の世界選手権(アゼルバイジャン)で団体5位以内に入り、東京五輪の出場権を獲得すること。梅色のリップがお気に入りという杉本は「一人ひとりが自信を持って臨めるよう、練習を大切にしていきたい」。(山口史朗)