(11日、高校野球青森大会 八戸学院光星22―0大間)
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「もう一度投げさせてください」
四回裏の攻撃前、大間の鈴木誠起(3年)は監督に志願した。
この日の相手は昨夏、準々決勝でコールド負けを喫した八戸学院光星。先発した鈴木は制球に苦しんだ。初回、先頭打者を四球で歩かせ、3番、4番打者の連続本塁打を浴びた。二回には3連続四球で満塁のピンチを招き、4点を失った。
監督は「腕が触れていない。縮こまっている」とみていた。「気持ちで負けないようにしていたが、打席からの圧が強かった」と鈴木は振り返る。大量リードを許し、三回からマウンドを佐々木優(3年)に譲った。
しかし、その佐々木も3本の本塁打を浴びるなど、光星の勢いを止められない。主将として「最後は自分で締めたかった」。五回表、鈴木は再びマウンドに立った。
試合は今年も大差のコールド負けに終わったが、鈴木はチーム唯一のヒットを放ち、意地を見せた。「この経験を次に生かしてほしい」。雪辱への思いは、後輩に託した。(藤谷和広)