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菊池に大谷、あの速球に打ち勝つため チームを「改革」

作者:佚名  来源:本站原创   更新:2019-7-12 13:52:54  点击:  切换到繁體中文

 

規格外の球速に屈辱を味わい、立ち向かい、強くなってきたのが、春夏通算で甲子園出場15回の盛岡大付だ。「40分間。まっすぐだけ。速いのを引っ張ろう」。6月の練習、関口清治(せいじ)監督(42)が指示を出す。マウンドの打撃マシンは最速170キロ超が出る。


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164キロ、162キロ……。本塁から約16メートルの位置に置かれたマシンが繰り出す球速だ。両脇では打撃投手が12メートルの距離から全力で直球を投じる。練習用の重いバットを手に、選手は引っ張る。


昨秋の岩手県大会準決勝。当時、既に157キロをマークしていた佐々木朗希(ろうき)を擁する岩手・大船渡との対戦になった。マシンに「ローキ君」と貼り紙をして打ち込んだ。佐々木から三塁打2本、二塁打2本を含む10安打を放って7点を奪って勝った。


速球対策には年季が入る。高校での最速が154キロの菊池雄星(現大リーグ・マリナーズ=28)と160キロの大谷翔平(同・エンゼルス=25)。岩手・花巻東出身の2人の存在が、盛岡大付のカラーを変えた。


関口監督の就任翌年だった2009年春の県大会で菊池と対戦した。「ピンポン球みたいに浮き上がっていた」速球に手も足も出ない。バントすらできず完敗した。


続いて菊池を追うように花巻東に進んだ大谷の出現に腹をくくる。「以前は守備型のチームで、バントや進塁打をきっちりやる花巻東さんと似たタイプだった。でも、それでは差を埋められない、勝てない。『改革』が必要でした」


週5日のうち4日を打撃練習に割いた。冬場は雪が積もる前に打撃ケージを設置しておき、雪上で12メートルの短距離から投手の球を打ち込んだ。直球だけ打つ月もある。変化球は直球を克服してからだ。「打者には球が速いということが一番のストレス。それを取り除くことが最初のステップと考えた」


12年夏の岩手大会決勝。準決勝で当時の高校生最速となる160キロを出した大谷に9安打を浴びせて5―3で勝った。「投手の球速が上がれば、打者の技術も上がる。いい意味でのいたちごっこが、レベルを引き上げている」。関口監督の実感だ。岩手勢の甲子園通算勝利数は54。菊池を擁し花巻東が準優勝した09年選抜以降で、そのうち26勝を挙げている。


履正社(大阪)は今春の選抜で最速151キロの奥川(おくがわ)恭伸(石川・星稜)に0―3で3安打完封された。「速球対策はしていたのに結局、スライダーにやられた」と主将の野口海音(みのん)。いま打撃練習でボールになる低めの変化球に手を出せば、厳しい声を浴びせられる。完敗を糧に対応力を懸命に磨く。全国選手権の本塁打は17年の第99回が過去最多となる68本。昨夏の第100回は歴代4位の51本。打撃もまた進化している。


11日、岩手大会が開幕した。盛岡大付が大船渡と当たるとすれば準決勝。主将の及川温大(あつひろ)は「夏は簡単ではないと思う。それでもまっすぐをとらえて、打ち勝たないといけない」。今夏、佐々木は再び160キロを出すのか。大船渡の国保陽平監督(32)は答えている。「体が投げられる状態で、その球がないと抑えられない打者が出てきたときには投げると思う」


いかに速い球を投げ、いかに速い球を打つか――。野球の華だ。101回目の夏。「163キロ」は、さらにスケールアップした夢を見せてくれている。(小俣勇貴、竹田竜世、御船紗子、大坂尚子、高岡佐也子)



 

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