(14日、高校野球岩手大会 花巻東5-4花巻北)
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九回表、逆転されても花巻東ベンチは落ち着いていた。「まだまだここでおわんねえぞ」。選手たちは笑顔だった。士気を高め、この回、同点に追いついた。
十回裏2死一塁。4番水谷公省選手(2年)は、次打者の中村勇真主将(3年)に声をかけられた。「しっかり振ってこい。後ろに俺がいるから」。その一言で肩の力が抜けた。3球目のやや低めの直球を右翼線にはじき返し、試合を決めた。
「負けたら3年生の夏が終わってしまう。勝つ執念を燃やしていた」と水谷選手。チームは代々、「逆転の花巻東」として何度も試合をひっくり返してきた。夏の怖さを乗り越えた勝利に水谷選手は「チームはまた一段と強くなった」と感じる。成長した姿を示しつつ「一戦一戦勝っていく」と意気込んだ。(緒方雄大)