第101回全国高校野球選手権埼玉大会(県高野連、朝日新聞社主催)は11日、8球場で1回戦23試合が行われた。上尾南と草加南の対戦は今大会初のタイブレークが適用され、上尾南が延長十三回、4―3で勝った。12日は8球場で2回戦20試合がある。雨の場合は13日に順延される。
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強気の投球 強打校に健闘 南稜 鈴木優真投手
いざマウンドに立つと、緊張した。一回表、南稜の鈴木優真投手(3年)は力みから2点を失い、なお1死一、二塁。すかさず捕手の中村礼音君(同)が駆け寄る。「攻めていこう」。インコースを狙ったシュートで空振り三振。次打者も右飛に抑えてみせた。
小4から野球を始め、小5から投手一筋。ひじや肩、腰のけがに悩まされ続けてきた。今年4月下旬から5月にかけては投げられなかった。その間、焦らずに走り込み、体力づくりに専念した。「夏は自分が完投するとわかっていたので」。6月中旬から投げ始め、徐々に調子を上げた。
冬場のトレーニングなどで体重を5キロ増やし、球速も増した。そしてこの日、二回からは「リラックスして投げられた」。調子がよかった直球を中心に、九回完投。初回以降は点を与えなかった。
3点以内に抑えると決めていた鈴木君。練習試合では攻めの投球ができずに負けたことがあった。この日は「強気で攻める」という気持ちを込めた。荒井晶平監督が「強打の大宮東を相手に、2点に抑えてくれたのは合格点」と評価する投球だった。
3番打者も務める鈴木君は「ピッチングはよかったけど、バッティングは力みすぎました」と苦笑い。でも、「自分が投げて、みんなが守ってくれた。感謝したい」。あと1歩、及ばなかったが、「最高でした。楽しかったです」。表情は晴れやかだった。=県営大宮(高絢実)