(14日、高校野球東東京大会 青山学院11―1大崎)
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因縁の対戦だった。
青山学院と大崎は、昨秋に新チームになって最初の公式戦で戦った。打線のつながった大崎が、二回の大量10得点などで一方的に青山学院を退けた。
それを機に大崎は、「つなぐ野球」を磨いた。この日の試合直前、主将の熊谷蓮(3年)は「打線をつなぎ、もう一度僕たちが勝つ」と語っていた。
一方、惨敗後にゼロからチームを作り直した青山学院は悔しさを忘れなかった。主将の市川廉也(3年)は「今日のために頑張ってきた」と再戦への決意を口にしていた。
かける思いに差はないはずだが、再戦は秋とは正反対の結果となった。最後の打者が打ち取られると、熊谷は泣き崩れた。
「あの日の青山学院の悔しさが、いま分かりました。この悔しさを胸に頑張ってきたのか、と」
チームの中に油断があった、と振り返った。「野球には、油断したら許してくれない厳しい神様がいました」。そして、「青山学院に、頑張ってもらいたい」。2度戦った相手にエールを送り、涙をぬぐい、球場をあとにした。(抜井規泰)